ここは安産祈願の神社・・・【中津川 血洗神社】

前回は恵那神社に参拝しました。そこから次の訪問地に向かう途中、国道363号線
沿いに看板が立っているのを見つけました。そこで新たな発見が・・・





中津川市川上の集落を離れ、森林を貫く国道363号線を南に走っていくと、左側に
庭園のように整備された一角が見えてきます。案内板が立っているようなので、少し
寄り道してみましょう。





上の写真の右側に写っている石碑を見てみると・・・「旧跡血洗之池」!!ここには
一体どんな歴史があるというのでしょうか?





石碑の奥へ進むと、大きな岩が・・・その上に「血洗神社」の文字が!何だかとても
不気味です。





こっ、怖い・・・でもどんな歴史があるのか、興味はわくばかりです。



近くに案内板があります。そこに記されている由緒書を読んでみるとしましょう。



前回の恵那神社の記事で、この地方には伊邪那美命天照大神を産み、その際の胞衣
(えな、胎児を包んでいた膜や胎盤)を山の頂に納めたことから「恵那山」と名付け
られたという伝説が残っている、と述べました。このとき、この場所で胞衣を洗った
ために池の水が赤く染まり、以後血洗の池と呼ばれるようになったそうです。





昔は深さ5mもある大池だったそうですが、度重なる大雨により土砂が流入し、埋没
してしまっています。今は小さな沢の流れを見ることができるのみです。



さて、由緒書を読み進めていくと、どうやら国道363号線改修に伴い境内の一部が
道路敷地となり、本殿は移転されたとのこと。これは探すしかありませんね。





国道363号線を血洗の池跡から数百メートル北へ戻ると、道路の右手にひっそりと
鳥居が立っていました。先ほどは気づかずに通り過ぎてしまったようです。ここなの
でしょうか?





「村社 血洗神社」とあります。ここで間違いないでしょう。社殿は鬱蒼とした林の
中にあり、鳥居をくぐったその瞬間から周囲の空気が変わります。





こちらは簡素な造りの拝殿のようです。本殿はこの奥でしょうか。





奥に小さな本殿が鎮座しています。正面に「天照皇大神宮」のお神札がお祀りされて
います。ということは、天照大神が御祭神でしょうか。



由緒書によると、血洗神社の御祭神は・・・
★「安気明神(あきみょうじん)」・・・安産の神様
★「天照大神(あまてらすおおみかみ)」
★「大山祇神(おおやまつみのかみ)」・・・山・海の神様



伊邪那美命天照大神を無事に出産し、岩に腰掛けて安らかな気持ちになられたこと
から、この地は「安気野の里」と名付けられたのだそうです。その後、安気が安岐に
転じ、さらに現在の字である「阿木」になったそうです。



ということは、安気明神は伊邪那美命と考えることができるでしょうか?



参拝を終えたところで、境内を少し散策してみましょう。





横から見ても、拝殿はとても簡素な造りになっています。突き出た部分に本殿が鎮座
しています。





周囲は一面の森林ですが、一筋の道が延びています。さすがにこの奥には行きません
でした。熊でも出てきたらたまりませんから・・・





恵那神社と同様、鳥居の注連縄が大きく垂れ下がっています。この地方ではこうした
風習があるのでしょうか?





参拝と散策を終えて鳥居まで下りてきました。血洗という社名からは少し怖い印象も
受けますが、ここには心温まる伝説が残っているのです。伊邪那美命が無事に出産を
終え、ホッとした表情で岩に腰掛ける様子が想像できました。ここにお参りすれば、
きっと出産によい縁を授かることができることでしょう。



「血洗神社」(赤マーク)
岐阜県中津川市阿木字血洗6872−1


「旧跡血洗之池」(水色マーク)
岐阜県中津川市阿木字血洗(番地不明)

より大きな地図で ウッスンの「B級紀行」訪問地マップ を表示



【国土地理院による血洗神社の地図はこちら】